その光景を、西と東の校舎を結ぶ渡り廊下から、食い入るように見つめている男が二人。


「あれ、俺らに見せつけてるよな」

「きっとそうだろうね。特に修治(しゅうじ)に釘をさしてるんだと思うよ」

「俺みたいな良い子に?」


修治と呼ばれた男子は銀色の手すりの向こうに手を伸ばし、鼻で笑ってみせた。


「っつーか、釘をさすべきなのは瀬谷の次期当主のお前の方じゃん」


抑揚なく言葉を並べていく修治の横顔を見ながら、瀬谷の次期当主である男は眼鏡を指先で押し上げ、愛想笑いを浮かべた。


「あとは、片月にすり寄る可能性のある珪介、だな!」


修治は風に舞い上げられる癖のある髪の毛を気にすることなく、反対側の手すりにもたれ空を見上げている男を振り返り見た。

珪介は視線を落とすと、嫌そうに顔をしかめた。


「俺?」


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