(私が困っている時、いつもお祖母ちゃんは気がついてくれて、言葉で手助けをしてくれた……もしかしたら、今も)


「片月さん、窓を閉めてくれて有り難う。席に着いてくれますか」


教室に視線を戻せば、プリントを回収し終えた先生が着席を促すような表情を浮かべている。

もう一度校庭を見れば、祖母がすっと動き出した。

体を揺らすことなく、まるで水に流されていくかのように、テニスコートへと進んでいく。


「……い、イタタタ……先生! ちょっと気持ちが悪いので、保健室に行ってきます」

「え? あ、はい。そうですか。一人で大丈夫ですか?」

「はい。大丈夫です」


どうしても、行動に移さずにはいられなかった。

紗矢は腹部を抑え顔を歪めながら、重々しい足取りで教室を抜け出したのだった。



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