昇降口から外に飛び出せば、校庭の端っこに赤い姿があった。

体育用具などが入った倉庫の陰、赤い鳥が身を丸め蹲っている。


「ランス?」


鳥がぴくりと顔を持ち上げ紗矢に視線を送りつけてきた。

がしかしすぐに、小さな頭部は気だるい様子で元の位置へと戻っていってしまった。

元気がないようにも思え、気にはなったが、紗矢はランスの方ではなくテニスコートに向かって歩き出した。

今は、祖母の姿を探すことが先決だ。

歩を進めながら、紗矢は自分に対して嘲笑する。

確かに亡き祖母の姿が見えた。

いったん視線を外しても祖母の姿はそこにあったのだし、移動までしたのだ。

一瞬の見間違え、目の錯覚などではなかったと確信している。

けれど、そうであってもあやふやな存在にアドバイスを求めようとしている自分が、とても愚かに思え仕方が無かった。


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