君色【完】

梅雨明け











「───絵梨~!」

「千恵ちゃん、どうしたの?」




やけにいつもよりハイテンションな千恵ちゃんが、こちらに向かってきた。




颯太と別れて約1ヶ月。

颯太とはあれから1度も話さず、目もあわせないまま。


付き合っていた頃は、学校内ではいつも颯太と一緒だったのに
突然、颯太と一緒にいなくなったことに、学校中にはすぐに噂が広まった。


『立花さんと颯太くん、別れたらしいよー』


その噂はもちろんあたしの耳にも入り込んできていた。
そのときはいつも千恵ちゃんが励ましてくれた。




千恵ちゃんのおかげで、ちょっと回復したかも。




< 66 / 277 >

この作品をシェア

pagetop