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 理紗の一声がきっかけとなり、僕と理紗は、放課後に逢うようになっていた。

 もちろん、毎日となるとさすがに人目に付いてしまうから、せいぜい、週に一度程度だったが。

 最初は、理紗に対する感情はただの〈興味本位〉だったが、逢瀬を重ねる毎に、思いのほか、理紗の存在が自分の中で膨らんでいることに気付いた。

 僕は教師で、理紗は生徒。
 しかも、一回り以上の年齢差もある。

 これがドラマであれば、〈禁断の恋〉などと持て囃される所だろうが、現実には教師が生徒に恋愛感情を抱くなど言語道断だ。
 何より、理紗と出逢う前の僕だったら、生徒に軽々しく手を出す同僚を軽蔑している。

 間違いを犯してしまう前に、理紗と逢うのをやめた方が良いかも知れない、とも何度も考えた。
 だが、それ以上に理紗を求め、足が勝手に裏庭へと向かってしまう。
 そして、理紗の顔を見ると、自分でも驚くほど、幸福な感情が広がる。

 感情を持たない理紗は、笑いもしなければ怒りもしない。
 はたから見たら、とてもつまらない女の子だが、真面目で素直だから、僕の下らない話にも真剣に耳を傾けてくれる。

 ただ、もっとわがままを言えば、理紗もたくさん話をしてくれたら、とも思ってしまった。
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