理紗は、わずかに眉根を寄せながら小首を傾げた。

「私は、先生と堂々と肩を並べて歩くことをずっと夢見てたんです。でも、これからはもう、誰にも気兼ねしなくていいんですよね。一緒に歩くだけじゃなくて、手を繋いだり……」

 そこまで言うと、理紗はやんわりと僕の身体を押し退け、背伸びをした。
 かと思ったら、理紗の唇が、僕の口角に優しく触れてきた。

 僕は瞠目したまま、それを受ける。
 一瞬、戸惑いつつ、しかしすぐに我に返り、今度は僕の方から僕の唇と理紗の唇を重ね合わせた。

 理紗は僕からのキスを黙って受け止め、僕は、三年間封印し続けてきた想いを注ぎ込むように、長い時間をかけて口付ける。

 理紗への想いは、決して簡単に言葉に出来るものではない。
 だからと言って、キスという強引な手段で済ませてしまうのも違う気がするが。

「私も、先生を幸せにします」

 唇が離れてから、理紗は僕に真っ直ぐな視線を向けながら告げてくる。

「ありがとう」

 僕は満面の笑みを浮かべ、再び、理紗に軽く口付けを落とす。

 愛を確かめ合う僕らの側で、雪柳が、風に煽られてカサカサと揺れ続けていた。

[ユキヤナギ-End]

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