「また、こうして一緒に寝てくれますよね?」

 やんわりと、でも有無を決して唱えさせないような理紗の問いに、僕は思わず微苦笑を浮かべた。

「いいけど、今度は親御さんに下手な嘘は吐かないでくれよ? 何かあったらよけいな心配をかけさせてしまうんだから」

 そう言いつつ、正直に僕のことを理紗の両親に話したら、間違いなく仰天されてしまうだろう。
 それどころか、もしも過激な親であれば、〈元生徒に手を出した不埒な教師〉と罵られ、下手をすれば学校にまで乗り込まれることも覚悟しないといけない。
 そんなことはないと願いたいところだけど。

「外泊はほどほどに、な」

 最後に付け加え、僕も理紗に軽く口付ける。

 僕の言葉を、理紗はどう受け止めたのだろう。
 何も言わず、先ほどにも増して僕にくっ付いてくる。

 そのうち、規則正しい寝息が聴こえてきた。
 『まだ十一時前なのに』などと言っておきながら、結局は疲れていたのだろう。
 理紗は真っ先に夢の中の住人となってしまった。

「寝不足だったみたいだしな」

 無邪気な寝顔を見せる理紗を微笑ましく思いながら、僕はそっと、左手で理紗の長い髪を梳く。

「おやすみ、理紗」

 僕は理紗の髪に、額にキスをし、ゆっくりと瞼を閉じた。

[ガラス細工-End]

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