My Sweet DRAGON

【正しい誕生日の過ごし方】

「あぁー!歌った、歌った!!」



「ですねー!」



「ってかオマエ、意外と歌上手かったんだな!」



「えっ!?あっ、ありがとうございます」



「なに照れてんだよ!バーカ!」



「だっ!」



店先での攻防から3時間弱。こーなりゃヤケだ!!ってことで、これでもかってほど歌いまくったアタシは、意外にも満足し、テンション高めのままカラオケ店を後にしていた。



んーっと大きく伸びをし、未だに照れる龍樹の背中をベシッと叩き、ニカッと笑えば、同じように笑い返してくれる龍樹。



所々シャッターの閉まった商店街をブラブラと歩く足取りもいつも以上に軽いのは、間違いなくカラオケパワー。



「いやぁ…実はさ、アイツのこと思い出して……いや、ほんのちびーっとだけモヤモヤしてたからさ、すっげー気持ちよかったっつーか、マジスッキリした!カラオケマジサイコー!!」



「そうですか。それなら良かったです」



「ありがとな!」



「だっ!いだいですー。芹奈サーン」



そして再びベシッと背中を叩くと、涙目の龍樹を見上げながらケラケラと笑った。

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