殺風景なものね。

大きなテレビにテーブルとソファ。
カーテンが、開いた窓から入る風に僅かだけ揺らいでいる。

少し傷のついたフローリングの上を歩き、窓へ近寄りカーテンに手をかけた。
少しだけ開けたそこから、遠くの景色を眺める。

数年前に購入した、新築マンションの十五階。
そこの窓から眺められる風景には、都会の乱立するように並ぶビル郡が望める。

昼間は都会の少し濁った空気のせいか、僅かに靄のかかったように、遠くにある東京タワーは時折目視できるくらいのもの。
それでも、鉛筆ほどの細さの赤いタワーが見えたときは、今日は天気がいいんだなぁ、と青い空を眺めていた。

夜は、煌々と灯るビルや看板の明かりで、まるで適当に投げ散らかした、ツリーに飾るイルミネーションのようだった。
雑な灯りたちだったけれど、それでも、そこから見る風景は特別だった。


この作品のキーワード
恋愛  夫婦  幸せ  別れ  後悔 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。