囚われた、あなたの腕の下。
それは、仕掛けられた罠。
「どした?そんな顔して……何かあった?」

その顔に、涙がまた溢れた。

「透……透……」

「落ち着いて、どうしたの?」

あたしの乱しように、透は動揺する事なく、前に屈みなが ら、頭を撫でた。

そして、あたしは……ゆっくりと話した。

メールの事。

ストーカーの事。

アラタ君の事。

それを透は、大人しく聞いてくれた。

大好きだった透……何故か、違和感がした。

その違和感が……何かわからなかった。

「愛理、これからどうする?」

透に、そう問われてあたしは答えに困る。

あたしには、帰る家も、両親もいない。
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