「わ、藤咲っ」



背中をやさしく支えながら、和晴は彩音の上半身を起こしてやる。

彼女の頬に手を添えて、親指でそっと、目じりの涙をぬぐった。



「ごめん藤咲、俺そんなふうに、泣かせるつもりじゃなかったんだ」

「……ッ、」

「ほんとに、ごめん」



真摯な表情で謝罪を口にする彼を、彩音は頬を赤く染め、涙目で見上げた。

その表情はひどく扇情的で、彼は思わずゴクリと生唾を飲み込むが──これ以上彼女の信用を失うわけにはいかないと、ぎゅっと彩音を抱きしめるに留めた。

彼もまた、下着は身につけていたものの上半身は裸なので、直接、素肌と素肌が触れ合う。

とくん、とくんと、規則的な鼓動が伝わってきて、彩音は乱れた自分の心が落ち着きを取り戻していくのを感じた。

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