向かいの窓の小さな彼。
違う学校
「よかった~!桜と同じクラスだーー!」


中学の時から仲良しの羽山桜(はやまさくら)は
スラッとして、華奢だけど
私よりだいぶ大人っぽい。

私はというと、
高校生にもなるのに背は低く、
ポニーテールなんかしちゃってるガキみたいな奴。



桜と同じ高校を受験して
奇跡的に2人とも受かり、
今日無事に入学式を迎えた。



「ねー桜、やっと高校生だねーっ!青春して~、勉強して~、恋なんかしちゃったりして~♡」

「そんな漫画みたいにいくかなぁ?(笑)」

「いいの!高校では絶対にいい彼氏見つけるんだからっ!!」

「はぁ~少し前まで峡、峡って言ってたくせに。」

「峡は…もういいのっ!なんか、あたしとほんとに関わりたくないみたいだしっ!」



良くない。
良くない事は自分でもよく分かってるけど
そう思っておく事しか出来なかった。



「お隣さん?」

少し背の高い男の人が、
私の隣の席に座った。


「2人、仲良しなんかな?俺、酒井友哉っていうねんけど、友達おらんねん!仲良うしてな!」



酒井友哉(さかいともや)は、ニコーっと笑った。
その雰囲気が犬にそっくりで
今までに会った事がないくらい


かっこよかった////




「かっ…関西弁?」

少し見惚れてしまい、
ようやく思いついたのがこれだった。

…恥ずかしっ////


「せやねん!今月、大阪から引っ越して来てん。やから友達おらんくてな。(笑)まずはお隣さんから~思て!友哉って呼んでな!」

「へー!生関西弁初めて!私、羽山桜。」

「あっ、あたし、佐藤春です!」

「桜ちゃんと春ちゃん!なんか……春やなぁ~!(笑)」



友哉くんは、すごく面白くて
すごく話しやすかった。

急にイケメンきてびっくりしたけど
喋っていると、だんだん緊張もほぐれてきた。



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