ハロー、バイバイ!
あの日の結果


クリスマス、年末年始、殆どヒカルは家にいなかった。

バイト仲間の友達の家に泊まっていると言う。


メールしても無視されて、返信など来ないから、美紗はヒカルに用がある時は電話をすることにしていた。


クリスマス・イブに、誠は小さなダイヤのついた金のネックレスをプレゼントしてくれた。

美紗からは、カシミヤのマフラーと手袋を贈った。


誠の会社ーー美紗の派遣先の会社は、クリスマス開けから10日間もの大型連休に入った。

製造ラインを止め、それに携わる地方出身者たちが帰省出来るようにとする会社の配慮だと誠は教えてくれた。


秋口に横浜に戻る、と言っていた母は12月の頭に引いた風邪を長引かせていた。



「やっぱり、年末もそっちに行くのやめるわ。咳がひどいの」


母は電話口でいった。



ーー誠、お母さんにはまだ逢いたくないみたい…


前に母にそう告げてから、母は誠の話をしなくなった。

電話の向こうで明らかに母が落胆しているのが分かった時、美紗は泣きたくなった。


年末年始の連休中、誠は、実家のある立川には帰らなかった。

誠の父は既に亡くなり、年老いた誠の母が住む家には、実兄とその家族が同居していた。





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