タイムマシン@七月七日
1科学者逹は閃く
□■□

「また、ほっぺにお米つけてる!可愛いけど汚いよ!」

笑顔で俺の顔に手を伸ばし、綺麗に米粒を取る。

可愛いえくぼに笑顔。

それが吉原梨彩(ヨシハラリサ)が自分に見せた最後の笑顔だった。

自分の彼女だった人。

天真爛漫な性格は誰をも魅力しかねないほど。

口下手な自分が何故彼女と付き合っていたのは今でも疑問だ。

彼女がいたら理由を問い詰めてみたい。

なぜ、自分に告白したのか…と。

理由を問い詰めることはもう不可能だが。

彼女は死んだのだ。

車に引かれて。

あろうことか、俺の為の誕生日プレゼントを買いに行ったが故に。

葬式では正直泣けなかった。

涙も出なかった。

身体中の水分が抜けたみたいに何も出なかった。

考えられなかった。

あの笑顔、あの声、あの手作り弁当、全て元には戻らない。

7月7日。

彦星と織姫のように自分と彼女はあの日離ればなれになってしまった。

彼女が死んだ、高校三年夏。

あれから時も経ち、俺は大学も終わりに近づいた。

好きな人はずっと彼女のまま。


< 1 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop