狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「あたし……――今日、サボる」
「は?何言ってんだよ。ほら、いくぞ」
「ジャージ探してくれてありがとうって沙希に伝えてね」
愁太の手を振りほどくと、愁太は驚いて目を見開いた。
「……――あたし、狼谷君を追いかけるから」
走り出すと、背中に愁太の声がぶつかる。
恋のパワーってすごい。
全速力で走っているのに、全然つらくない。
「……――おい!!桃華!!」
あたしは愁太の声を背中に受けながらも、振り返ることなくそのまま走り続けた。