※公開終了間近! イロモノなアタシ
期待はしない
翌朝、目が覚めると9時。


綾女との約束は9時。


間に合うわけが無い。


「ううっ……何で家に来いって言えなかったんだろう」


ボヤいてはみても、時間の無駄だ。


とにかく出掛ける支度をしなくちゃいけないと、パジャマを脱いでその辺に散乱している服を着る。


当然ノーメイクだし、シャツだってクシャクシャだ。


あたしなんか誰も見てないから、何だっていい。


家を出る直前に綾女に電話を入れると、


『うーん、遅いなーとは思ってたけどー、平気だよぉ-』


と、おっとりと言われてしまった。


まあ、あの子の事だから平気だろうとは思うけれど。


バタバタと家を出て、大学に向かう。


今日は講義なんて無いけれど、2人の家のちょうど真ん中に位置するから待ち合わせ場所にしただけだ。


大学は地下鉄で一駅先にあり、起きてからわずか20分で到着する。



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