腕枕で眠らせて
ヒビワレタ ココロ










別れた元彼は、腕枕をしない人だった。





「腕、痺れるし。それにいざって時すぐに動けないじゃん」


「いざって時って何?」


「んーと…?地震とか火事とか?」




ウソだ。


コイツの“いざ”って時はスマホの着信音が鳴った時だ。



私をベッドに置き去りにしてでもとる
他の女の子からの電話。




分かってた。本気じゃないって。
二股掛けられてるって。




それでも好きだった。








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