血染めの鎖

⇒語りて涙候




この世界が表と裏で構成された、二面世界であることは知ってらっしゃいますかね。


ああ、そうですか。さすがに知ってらっしゃると。


さて、私たちオリオト村の民はですな、その魔族たちの餌とされたのです。そうして魔族の住処となった。


喰い殺された者も、何人と数えきれない……失礼、ズビーッ(鼻かみ)


ぐず、……ええと、そうでしたな。私共は『使える』とのことで、少数は生き残らされたのです。


今のような昼には魔族も手を出しては来ませんが……夜になれば、またひとり、またひとりとなぶり殺されていきます……。


魔族たちは人間を殺すという快楽を覚えたため、子孫をつくる女は極力死なせないようにしていますが……。


使えない者は皆、殺されてしまう次第なのです。

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