そして 君は 恋に落ちた。





私よりも大きい手が頭を優しく撫で、それがあまりに温かくて。

まだ目を閉じていたい……そう思ってしまう。




〜〜〜♪〜〜〜♪〜〜



目覚ましがいつものように鳴り響き、目を開ける。


慣れない腕枕。

背中越しに抱きしめられてるこのシチュエーションに、眠れるはずもなく。



「うるせ…」


後頭部に息を感じ慌てて目覚ましを止めた。



「……お前の頭おもてーよ」


……なんて。彼の寝起き独特の掠れた声に、朝を二人で迎えた生々しさが足されて顔を向けない。

そんな私に気付きもしない彼、小林君は、盛大な欠伸と共にトイレへと旅立った。



何度確かめてもここは私の部屋なわけで……

二人寝ていたベッドも私のシングルベッドなわけで……


―――現実に、頭を抱える。


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