そして 君は 恋に落ちた。




愛の言葉もない。



そんなもの、私達には必要ない。









「……っ」


鈍い痛み。



一歩、一歩歩くごとに、お腹に痛みが走る。






シャワーも浴びずに部屋を出た。

松田君は今頃ベッドで寝ているだろう。







私達は、数時間後に“同僚”に戻る。




東の空は明るくなって朝を告げる。


……なのに。

私の瞳には歪んで見えた。






―――大丈夫。


後悔なんてしない。



だから、大丈夫。

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