止まない雨はない
分かったわ。ただし、私には嘘を言わずきちんと話して。
 それが条件よ。
 私のかわいい妹をあんたに託すんだから…」


妹って…まあ、そこは深く突っ込まないでおこう…



俺たちは、そのまま軽く飲んで、帰宅することにした。

俺は家に帰ってからも色々と考えていた。



始めに出てきたのは彼女の恥ずかしがっている顔だった。
それは、初めて見た花屋での顔。
そして、次は声が思い出された…


俺は今までの人生でこんなにも女に対して観察したことはない。

かおりが言うとおりなのではないか。…すき…か。
すきなんていう感情は思い出せない。


この感情を好きという言葉で表すのならば、確かにすべてが一致するような気がするが…

でも…いや…しかし…答えの出ないループ。


数学みたいに結果が決まっているのならば簡単なのに…


俺は今どき中学生でもわかる結果が分からないなんて…自分で情けない。




そんなことを思いながら、俺は眠りについた






恭哉side…end
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