総長からの「愛してる」
「私にその資格はない」

帰りたい場所


《side 悠希》



土曜日。



待ち合わせ場所まで行けば、まだ美愛は来ていない。



そりゃそうだよな……



30分前に来ている自分に、我ながら呆れてしまう。




本当は一緒に来ても良かったんだけど、美愛は、


『未來を保育園に送る時間まで付き合わせられない』



と、拒否をした。




俺には、遠慮なく我儘でいればいいのに…



美愛は、この一年苦しんできた。



死のうとした美愛を、何度も止めたし、
誰も信用としなかった美愛に、手を差し伸べ続けた。




だからこそ……あの場所は、美愛のために行かなくてはいけないんだ。




< 241 / 443 >

この作品をシェア

pagetop