総長からの「愛してる」

海の青と月の光に照らされた赤い翼





彼に私の秘密が明かされたのは、その日のことだった。




その日の夜。



恐怖に耐えながら、私は『アツシ』と名乗った初めての男だけは接触しないように夜のホテル街を歩いていた。



珍しく誰も声をかけて来ない。



かといって、あんな恐怖を体験した上で、自分から声をかけるなんてできなかった。


今日は無理かもしれないと諦めたかけた時だった。




「美愛。」




思わず声のした左を向くと、ビルの壁に寄りかかる天瀬來叶を見つけた。



「お前のことは有名だから知っていた。
……二度と売りなんてさせねぇよ。
手を回したから、お前に声をかける男はもういねぇ。」



天瀬來叶は私の瞳を真っ直ぐに見ながら近付く。




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