片道恋愛

卒業式




あの佐伯くんの不思議な行動から1ヶ月が経ち。


今日は高校の卒業式。





卒業と言っても高校ともなると、涙も出なくて。

周りの人達を見ても涙を流す人も殆ど居なくて、そんなもんだよね。と空を見上げる。




『みーやびっ。』



ボーッと空を見上げる私に向かって、波流が声を掛けてきた。


「波流。話終わったの?」


波流はお世話になった陸上部の顧問にお礼を言いに行っていたんだけれど、話が終わったらしく戻ってきた。


『うん。あー、もう。
式では泣けないのに、先生と話してたらウルっと来ちゃったよ』



「あはは。そんなもんだよね~。」


『ね。でも卒業かー。あっという間だったな。大学でもよろしくね、親友!』


そう言いながら波流が私に抱き着いて来た。




そんな波流の行動が嬉しくて私は



「こちらこそ。ん~波流可愛い可愛い!」



あたしも波流の髪をわしゃわしゃとする。



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