【完】るーむしぇあ。
12.音、想い、夏の空に
◇◇◇

怪我の功名(なんか違うような気もするけど)で、和希くんと過ごした夜はあっという間に更け、ついに合宿最終日。

和希くんは怪我をした私に色々と気を使ってくれて……ああ、幸せ。


大ちゃんは大ちゃんでなんかニヤニヤしてるし、いいことがあったのかもしれない。

後で聞いてやろう。





そんな浮かれ気分の私を現実に引き戻したのは、学校に辿り着いた後の部長のひとことだった。


「それではパートごとに音楽室に呼ぶので、しばらく待機していて下さい」


こ、コンクールメンバー発表……今日でしたね。


ぽかーんとしたままの私の腕にドンっと衝撃が走って、振り返るとまたしても木下美波がいた。
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