はじめからおわりまで
3
南のギターからはじまる前奏。ドラムのリズムが心地いい。ベースの低音が心臓に響いて、、、
私は、歌いだす。

切ない失恋の歌。甘くない恋のお話。
メロディーにのせて、できるだけ歌詞の内容が誰かに届くことを願って歌う。
練習だけど、演奏している全員が練習とは思っていなくて、ただがむしゃらにひとつのウタを作りあげる。

私にいつかこんな恋ができるのかわからないけど。
もし、誰かの好意を信じきれるようになったら、その時はきっと素直に幸せを受け入れてるんだろうな。

そんなことを思いながら、覚えたての曲を歌う。
まるで、もう何度も歌ってきた曲かのように安定した歌い方ができたと思う。
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