恒例の報告会ランチに次いで、舞の月曜朝締めも定例化しようとしていた。

「おはよ、有紗。週末イベントはどうだったのよ?」

朝から元気ハツラツな舞は今日もオシャレな服装で出勤している。

これで2児の母かと毎回思わずにはいられないが、生憎といつも感想を述べる隙を与えてくれないのが吉澤舞のさらに凄いところだ。出勤するなりかけられた声に動揺したのか有紗の目は素直に泳ぐ。

「おっ?おっ?おおーっ?」

楽しいことセンサーがキャッチした僅かな反応に歓喜の声を上げると、自席でデスクワークに勤しんでいる有紗の下にミニバッグを持ったままの舞が弾むように寄ってきた。

先に荷物を席に置いてくればいいのに、そう思いながらも有紗は手を止めて舞を迎える。

「おはようございます。」

「なになになによ?何かあった訳?」

明らかに高いテンションと高い声に圧倒されて報告するのを躊躇いそうだ。

目で確認する限り自席のある島には有紗と少し離れた場所に君塚しかいない。どうやら東芝は席を外しているようだ。

下手に声を潜めすぎるとかえって聞こえがよくなってしまうので、前屈みになり出来るだけ落として話し始めた。

「…何と言いますか。」

「うんうん!」

「彼氏ができました。」

声にならない声を発しながら舞は大げさに息を吸い込む。そのまま固まったかと思うと楽しそうな笑みを浮かべて小さく何度も頷きながら息を吐いた。

「ほおおー。イケメンでもいたの?」

「イケメン?」

舞の言葉の意味が分からず有紗は目を丸くして固まってしまう、そしてすぐにその意味を理解して納得の声を漏らした。

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