もうすぐ夏なので怪談話でもおひとつ
 小学生の4年生くらいの時でしたか。

 プールへ行きまして、姉と二人で行動していて、父と母は別行動でした。

 ここらへんは詳細を語ると身バレするのでゴニョゴニョで。(笑

 とにかくまぁ、事情がありまして、子供二人でプールに居たわけです。

 そのプールは大人用でして、深い場所は水深2Mです。

 お約束で、わたしは姉がジュースを買いに行っている間に、姉を待たずにプールの飛び込み台からドボンと。

 なにを考えていたのか、当時のわたしは息継ぎが出来ないカナズチでした。

 飛び込み台の付近はまた、水深が2Mのところだったんです。


 けれど、あれは不思議な体験でしたね。

 なにせ、プールはイモ洗いといっていい状況で、大人も子供もひしめいているような感じだったんです。

 飛び込みをするのに、隙間を狙い定めて飛び込まないといけない程で。


 わたしは泳げませんから、足がつかないその場所で犬かき状態でした。

 目の前に大人の男性の背中があるんですが、なぜか届かない。

 周囲にも大人がたくさん居るんですが、なぜか全員、わたしに背を向けている。

 周囲に見えない壁があって、水飛沫ももがく騒音も、すべてシャットアウトされているかのようでした。

 目の前に背中があるのに、手が届かないんです。

 死神に憑りつかれた感じです。




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