誠につもる白雪かな
凛「お待たせしました‼‼」


走って戻ってきた凛は何やら小さな袋を持っていた。


山「それは?」


凛「プレゼントです!」


山「プレゼント?」


初めて聞くはずなのにきちんと発音できるあたりやはり山南はすごいと思う。


凛「贈り物という意味のメリケン語です」


山「そうなんですか。」


凛はペンケースのチャックを開けると筆記用具を取り出した。


凛「これは山南さんにピッタリだと思って。山南さんしかいないです!」


山「これは?」


凛「未来の筆です。」


山「墨がなくとも書けるのですか⁉」


凛「はい!」


珍しく興奮して身を乗り出す山南に笑顔になりながらも半紙の角にかきながら説明した。




山「なんと!消すこともできるとは!紙が無駄にならずに墨も必要ないなんて!とても経済的で素晴らしい!」


感動する山南をみてやはり正解だったとおもった。


凛「これは差し上げます。」


山「こんな貴重なものを私に⁉」


凛「はい。ぜひ使ってください!」


山「ありがとう。大切にするよ!」


笑顔を向けた山南に微笑みながら凛は悩んでいた。


自分が労咳だと告げるべきか...。


山南の脱走を食い止めるなら今から半年かけて山南の居場所を作らなければならない。



意を決した。
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