keep dream

1

行き交う人の中、すれ違った右側にドキッとして私は、動けなかった。

そのとき私は、仕事のパートナーの矢部くんと、足早にパーティー会場へ向っている所だった。



大きくひとつ深呼吸をして振り返える。


ニコッと笑う。あの時のまま・・・



ちょっとテレながら両手をポケットにつっこんで、八重歯を見せながら私を見ていた。






「早水さん!どーしたんですか?遅れちゃいますよ」



「・・あっ、うん あのさ矢部くん」

「ハイ」



「必ず始まる前までには顔を出すから、ごめん!ちょっと先に行っててもらってイイかな」

「どーしたんですか?具合でも?」


「違うの。大丈夫だから。ごめんネ」




その間も雅から目が離せない私を見ながら

「誰っすか?あの人」

って矢部くんの声が耳を通り抜けてゆく。






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