think about you あの日の香りとすれ違うだけで溢れ出してしまう記憶がある

週末の夜

そうだよ。

私の中には、はっきりとぐっちゃんがいるよ。

テレパシーみたいにリンクしてて、近づくと私のカラダは熱を帯びる。

触れてしまったら、せきをきったように溢れだしてしまう気持ちがある。

彼女は?

いまの彼女はどうするの?

私は?

これから私とどうするの?

言わせたい。

結婚してって言わせたい。

好きって言わせたい。

自分からは怖くて言えない。

ぐっちゃん、早く言って。

私もう、緊張で頭がおかしくなりそうだ。

BMWに乗ると、膝を曲げて脚が露になる。

高いヒールが余計にそうさせる。

足を揃える。

左に寄せる。

バックを膝に乗せる。

私、ちゃんと女らしく見えてるかな。

エスカーダ、つけてきたのに。

今日は、ぐっちゃん、何も言ってくれない。

ケータイを切る。

邪魔が入らないように。

ぐっちゃん、言って。

私が好きだから、結婚したい。って言って。

私のことを一番大事な人だって言って。

そうか。わかった。

自分の気持ち。

私はあなたが好きだから、あなたが混乱末の勢いで、プロポーズしたなんて、考えたくないんだ。

風俗の女と結婚したくないって理由で、プロポーズされたなんて。

そんな悲しい事実、受け入れたくないんだ。

私はあなたが好きだから。

ずっとずっと、大切に温めてきた気持ちを、ぐっちゃんに簡単に踏みにじられたような。

そんな事実が、私を傷つけている。

私はずっと好きなのに、ぐっちゃんは急に踏み越えた。

大切にしてた気持ちを、雑に扱わないで。


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