くるうみ。~あなたと過ごした3日間~

~赦し








夕食はせっかくの大好きなコロッケだったのに、あたしは味がわからなくてひとつ食べただけで居たたまれなく感じて箸を置き、自分の部屋に逃げ帰った。


それもこれも全部茉莉花のせいなんだからね!とあたしが帰り際に妹を睨みつけても、当の本人は平気そうな顔でいつもと同じ気持ちいいくらいの食べっぷりを発揮してた。


茉莉花は羨ましい事に、いくら食べても太らない体質なんだよね。

ため息をつきながら居間を出て行った時、チラッと野島を見てみたけど、ヤツはあたしに目を向ける事なくおじいちゃんやお父さんと歓談してて、ムカついたあたしは乱暴な足取りで階段を上り台所にいたお母さんから怒られた。


「……ふんだ! なによ……みんなしてあたしをバカにしてさ」


すっかりいじけたあたしは、夜9時前なのに布団を敷いてふて寝した。


パジャマにも着替えずに頭まで布団をかぶり、ぶつぶつと文句を垂れてたらなんだか惨めになってきた。


あ~~あ……
と自分の情けなさに大きなため息が出る。


ふだんは突っ張ってバカにされても言い返すけど、今日の自分は最低だったかもしれない。
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