who?(仮)
1日目

今日は、日曜日。
みんなが喜ぶ休み。
なのに、俺は最悪な日を迎える。

携帯を開いてみると、
『今日、暇だろ? 先輩の見舞い行こうぜ!』
俺の友達、海翔からのメールだ。
『行かね。』
と送って数分後、外から
「おーい!いこーぜ!!」
にやにやしながら言う海翔。
そこまで、行きたいのかよ。

「お前そんなに先輩んとこ行きたくねーの?」
自転車乗りながら、喋りかけてくる。
「お前と行きたくねーの!」
「酷いなぁ。俺ら親友だろ?」
「お前だけだ、そんなん言うの。」
一人で笑う海翔を横目で睨む。


「センパーイ!きましたよ!!」
「よっ!毎日わりぃな。」
「そんなの関係ないっすよ!てか、いつになったら治るんすか?」
「わりぃ。」
申し訳なさそうに言う先輩。
先輩は、働き者で文化祭の準備で
はしごから、落ちて骨折。
海翔は、先輩大好きだから、毎日付き合わされてる。
ゲイってやつだな。
乙女っぽくてキモイが、俺にとって良いやつ。

「それじゃ、今日は帰りまーす!」
「おぅ!サンキューな!」
「「おじゃましました。」」
ハモリながら、行って帰る。
それが、もう毎日の繰り返しになってる。

「あのっ!!」
後ろから、少女の声がするから、
二人して振り返る。
俺らの事じゃないってのわかるけど
あんな、大声出してたら誰でも
振り返るだろうな。

だけど、その少女はだんだん俺らに近づいてきた。
(おぃおぃ、お前の知り合いか?)
コソコソと話しかけてくる海翔。
(知らねーよ。)
「あのちょっと、私の絵見てくれませんか?」
と持ってたスケッチを俺に差し出してた。
それをみた海翔は
「じゃ、俺帰るね!」
さすが、ゲイ。
女には興味ないか。
仕方なく俺は
「いいよ。」
「わーい!」
と飛び跳ねる少女。

俺は、スケッチを見た。
結構上手いから、つい
「へぇ、上手いじゃん!」
と声にだしてしまった。
が、みたらスケッチより、俺の事をみて。
「やっぱり!ダイちゃんだ!!」
は?なんで俺の名前知ってんだよ。
「ね?!ダイちゃんでしょ?
山田 大輔でしょ?」
ワイワイ騒いでる目の前の女の子。
この人は、何を言ってるんだ。
「そうだけど、なんで知ってんの?
つか、誰だよおまえ。」
それ聞いてびっくりする少女。
「やっぱり。」
聞こえそうで聞こえないような声で言い。
「私は、相谷 鈴華! いきなりすみません。
でも、私とダイちゃんは前にあってるんだよ!」
はぁ?会った事ある?そんな覚えないし。
勘違いか?
「まぁ、今日はもう閉まるから、また来て!
私202の部屋だから。」
そう言って、部屋に戻る鈴華。

俺はボーと立っていた。
なんであいつ…。
時計みると、本当に閉まる時間だ。
「俺も帰るか。」
< 1 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop