魔法トラブル

人間界に行ってきます♪

「うん、行ってくるわ」

私、ルイ。

こう見えても魔法使い。

どんな感じかわかんないか。

えと。

黒髪で、おめめパッチリ、大きい黒い帽子 に黒いワンピース。

魔法使いみたいな感じです。

そして今日は人間界に行きますよ。

これは使命なんですけどね。

私のお母さんのお母さんが人間界に行けっ て言うから行くの。

おばあさまはいつも急に変なことを命令す るんだけど。

今日の命令は私にとって嬉しい命令です。

「バイバ~イ」

人間界へのトビラを開けた。

人間界はどんなところなんだろうか。

とにかく行ってみたかった。

早く大人になって一人立ちできる年頃にな るまでって我慢してたけど。

やっと行ける。

う~ん。

人間界についたのは良いけど。

何、しよっかなぁ。

おばあさまの使命を果たしてからにしない と。

「ルイ?」

「あなたは誰ですの?」

私に話しかけてきたやつは男。

おっさんって感じの人。

「お前の父だよ」

父?

何、バカなことを。

私のお父様は魔法界で死にましたわ。

どうして、そんなことをおっしゃるの?

「嘘ですわっ!!」

力が溢れ出す。

どうしよう。

止められない。

「ナツっ!!」

おっさんが誰かを呼ぶ。

来たのはドラゴン?

小さいわね。

私は力を放出しすぎて意識を失った。

まぶしい。

目を開けた瞬間、眩しい光が私を邪魔す る。

「起きた?」

そこにはおっさんではなく、青少年がい た。

「あ。僕はショウ。よろしくね?」

ショウは私に手を差し伸べてきた。

何かしら?

「握手」

「握手?」

「魔法界では握手なんて習慣ないのかな? ……えと。手を繋ぐんです」

私は手を繋いだ。

これが握手?

なんで人間はこんなことをするのかな?

……ん?

ショウって子、今、魔法界とかいってな かった!?

ちょっと待ってこれってヤバイの?

てかショウってなんでいるの?

私、知らない人の所で寝てた?

うわぁ(泣)

どうしたらいいの?

ここは謝るのかしら?

どうしたら……

「どうしたの?」

「私、とんでもないことを」

「何をしたの?」

「知らない人の家で寝てたし、魔法使いっ てバレたし。どうしたらいいの?」

「僕は君のことを知ってるから知らない人 じゃないよね」

知らない人じゃないの?

じゃあ、あなたは誰?

まぁ、知ってるならそこはセーフね。

問題は魔法使いってバレたたこと。

「魔法使いのことなら大丈夫。父さんが魔 法使いだから」

「へ?」

……魔法使いの子供にバレたんならいいの か な?

まぁ、いいや。

「あと…」

まだなんかあるの?

「言うの送れたけど」

何?

ためるなんて、こいつ気にくわないわ。

早く言いなさいよ。

「姉さん、お帰りなさい♪」

何を言ってるの?

私がショウの姉?

あり得ない。

衝撃すぎて私は倒れてしまった。

目を開けたら夢でありますように。

私はそう、願うしかなかった。

私はこれからどうなるの?

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