永遠の幸せを

ー圭吾side-

俺の父親は中堅総合病院の院長をしていた。


小児科医としての腕は良かったが、病院経営者としては力がなかった。


一人の若い男性医師の医療ミスで病院は暗転。


裁判沙汰のとなり、病院は潰れてしまった。

病院の土地は立地も良くて、大手ゼネコンが何社も参戦して競売にかけられた。

競り落とした会社が桐生建設だった。





父の病院の跡地には桐生建設の建てた高層マンションが建っている。


裕福な暮らしをしていた俺たち家族。


病院を失った父は自殺。母は妹を連れて故郷の青森に帰ってしまった。




俺は奨学金で医学に進学。

父と同じ医者になった…


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