雪の涙

裏切り者…

「親父。さっき彩花に会ったよ。吹雪は彩花がさらってていっちっまった…。どうすればいい…」

親父は暫く考えてから…

「…自分でそろそろ考えたらどうだ?次期組長。どうしても思う付かなかったら来い。一目散に来るようじゃあ葛城組は託せんな…」

と、言った。

「…分かった。自分の力でどうにかするよ♪」

俺は早速自分の部屋に戻り、どうすべきか考え始めた。

「吹雪が捕らえられてるんなら下手に手出しは出来ないなぁ〜…。しかし、彩花はどうやって吹雪を知ったんだ?」

俺はぶつぶつと喋りながら考えた。



「俺、お茶運んできますね」

「悪いなぁ、蒼龍。しかし、あいつは何代目なんだ?」

「確か、九代目じゃないですか?」

「じゃあ、俺達は九代目ってお呼びした方が良いんじゃないか?」

「そうですね♪」

蒼龍は台所でお茶を片手に喋っていた。

「それじゃあ行ってきます」

「頼んだぞ」

「はい」

蒼龍はお茶を持って俺の部屋の前まで来た。

「九代…」

「しかし、彩花が言ってた俺が確実に知っている敵って誰なんだ?」

「!!(彩花ばらしちまったのか…組の中に裏切り者がいるって…。やばいなぁ…ばれるのも時間の問題か?)九代目!!お茶…持ってきましたよ…」

「蒼龍!!今の…聞こえたか?」

「何かを言っているのは分かりましたが内容までは…どうしてです?」

「いや、それより九代目って何だ?」

「だって、葛城組を継ぐんでしょ?だったら九代目なんですよ♪」

「ふーん…。と、お茶ありがとうな♪蒼龍の入れるお茶は美味しいんだよな♪」

「…ありがとうございます」

「なぁ、蒼龍。組同士の戦争が起きたら嫌だよな?」

「はぁ…まぁ、嫌ですけど起こったら全力で守りますよ。九代目がくれた指輪をかけて誓います」

「そうか、そう言ってくれると心強いよ」

「それじゃあ、これで失礼します」

「あぁ」

パタン

「…(自分で裏切っといて後悔するなんて…九代目の笑顔が痛い…。俺は裏切り者なんだ!!ありがとうなんて…言わないでくれよぉ……)」

蒼龍が廊下を歩いていると…

「蒼龍。ちょっと来い」

親父に屋敷の奥に来るよう合図した。
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