あたしは、幸せな夢を見ていた──。


優がいて、あたしがいて。


夢の中のあたしは、なぜかまだ生れていないはずの赤ちゃんを抱っこしていた。


可愛くて。愛おしくて。


あたしも優も、笑顔で赤ちゃんを見つめていた。


幸せってこういうことをいうんだな、って喜びに浸っていると。



──ピピピピピピッ!



「んん……」



何の音……?


一瞬、その機械音によってあたしの目が開いたけれど、その音がすぐに止まったために、あたしはまた夢の続きが見たくてウトウト眠りに入ろうとしていた……。


すると、今度はあたしの頭の下にあった温かい何かがそっと離れていくのを感じて。


唇には、柔らかい感触がした。


それから、ベッドのスプリングが揺れて。



あたしは、もう一度ゆっくりと瞼を開けると、隣で寝ていた優がベッドから降り立ち、この寝室からちょうど出ていくところだった。


枕元の時計を見れば、5時40分。


そういえば、昨日寝る前に6時には長井さんが迎えにくるって言ってたよね。


優は、『美衣はゆっくり寝てていいからね』って言ってくれたけど、そんなわけにはいかないよ。


あたしも急いで起き上がると、優がいるリビングに向かった。



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