カラダ探し
十日目
終わらない「昨日」を繰り返して、もう何日になるのだろう。


昨夜の事を思い返してみると、虚無感すら覚えてしまう。


新旧両方の校舎、すべての部屋を調べたのに、カラダがあと二つ、どうしても見つからないのだ。


もう、どこを調べれば良いのかがわからない。


翔太なら、それがわかっているのだろうか?


学校に行って、話をする必要がある。


可能性としては、放送室がまだ残っているけど八代先生が入れなかったと言っていた。


放送室を調べるとしたら、翔太なら絶対に他を調べ尽くした後にしようと言うはず。


そう言えば昨夜、私が死ぬ前に見た屋上の健司。


あの場所に健司がいたという事は、理恵と留美子はどうなったのだろう。


カラダを棺桶に納めてくれた事はわかる。


起きた時に、左手に握られていた携帯電話が何よりの証拠だ。


カラダが納められると、「昨日」が変わっていく。


最初に「昨日」が変化したのは、三つ目のカラダを納めた後。


そして昨夜、六つ目を納めてくれたはずだから。


「昨日」が少し変化した。


それを、何より確実に感じる事がひとつあったから。


痛む腹部を、かばうように上体を起こした私は、ベッドの上で首を傾げた。









「遥って……誰?」







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