だから、恋なんて。

雰囲気の違う四十路会


「はいはい、乾杯!乾杯しよ!おつかれさ~ん!」

いつも通りやたらテンションの高い千鶴は、なんかの研究発表が終わったとかで一人打ち上げモードだ。

この間とはガラリと雰囲気を変えて、韓国屋台風居酒屋の焼酎で乾杯しているところ。

目の前には香辛料の匂いが食欲を誘うキムチチゲと海鮮チヂミ、辛みその野菜スティックなんかが並んでいる。

いや、ほんとはこういう大声出しても大丈夫そうなところが多いのよ。

ただ前回は私の四十路祝いも兼ねてたから高級レストランだっただけで。

「そういや、雫。この間のギャルソンに連絡したの?」

早速鍋奉行ぶりを発揮する千鶴は私たちのお皿にじゃんじゃん鍋の具をよそってくれる。

それを黙々と食べ始める雫は、もともと完全に聞き役で口数は少ないんだけど、なんだか今日は…。

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