山神様にお願い


 問題の、夕波店長にはメールが届いたのか結局判らなかった。彼からの返信や着信はなかったからだ。

 それを喜ぶべきかどうかでしばらく悩んでベッドの上をころころと転がる。

 もう、この無駄な動悸が鬱陶しい!!

 私はぐりぐりと枕に顔を押し付けて一人で苦しんでいた。


 心の中で、山神の奥の壁、あのいつもの飾りを思い浮かべる。


 ・・・・ああ、山神様・・・・お願いです。

 こんな苦しいの、もう私嫌なんです。


 お願いします。


 どうか


 どうか



 ――――――――――彼に会わせて。





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