「わ~かった~」

 いきなり襲うのはやめるって。シカさんをそっとしておくって。自分からは接近しないって。

 よし、と俺は満足する。あとで戻ってきたツルさんとリュウさんにも言ったら褒められた。おー、ウマ、よくやったぞって。何言ってんだか、自分達は判っててシカさんを置き去りにしたくせに。

 トラさんはぶっすーとして膨れっ面をしていたけれど、ツルさんの笑顔での「シカちゃんをキズモノにしたらお店やめます」のセリフが効いたらしく、しぶしぶ同意させられていた。

 ほんと、シカさんに今辞められたら困るんだよ、俺。

「じゃあシカから来たらいいってことだよな?俺そんなに我慢出来るかなーおいしそうだよなーあいつ」

 ブツブツとそういうトラさんを見て、リュウさんが笑っている。

 ああ・・・なんて自然のままの人達なんだ、この店のメンバーは。


 ・・・ま、居心地がいいのは否定しないけど。


 海で泳ぎまくることでパニックを解消してきたらしいシカさんが疲れきった表情で引き上げてくるまで、皆でトラさんを責めまくっていた。





・「ウマ君は天を仰ぐ」お終い。