武士道セブンティーン!!

あたしの放浪日記




「うっ………わ……」


壬生の道を抜けて、しばらくの所で見えた光景に感嘆と驚愕の声を上げた。


「これが、“京” の町か……」

始めてみる光景に絶句する。


建て並ぶ長屋。
道を行き交う様々な系統の通行人。
笑顔で走り回る子供たち。


当たり前に存在する毎日が、そこにはあった。


(同じ京都でも、今と現代じゃ全然違う………。
ここの方が人口だって多いはずなのに、現代より広く感じる………)


キョロキョロと首を回すあたしは、周りからしたら酷く滑稽だろう。

その前に、荷物だらけのこの格好の時点で見苦しいか。


ちなみに、最小限に抑えた荷物を風呂敷に包んで肩から斜めにくくりつけてある。

さすがにあのエナメルバッグは持ち歩けないからね。
奴らの屯所に置いてきた。


大事な大事な竹刀は竹刀袋に入れて普通に持ってきた。
隙をついて拝借した木刀一本以外は、何ら変わりはない。


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