武士道セブンティーン!!

アンチヒーローは遅れてやってくるものらしい



刀同士がぶつかる鋭い金属音がした。

スッと目を開くと、そこにいたのは。


気だるい表情で笑いながら、武田に刀を押し付ける沖田だった。


「………誰が、アバズレですか」


眉を潜めて低い声で言った。


「貴女ですねぇ」

軽いテンポで話す沖田に殺意がわく。


人が大人しくしてりゃあ勝手なこと言いやがって。


沖田はあたしの殺気を素知らぬフリで交わし、刀を弾き返すと正眼に構える。

「お前は誰ですか。彼女に刀を向けている時点で味方ではないのでしょうけど」

「………見覚えがある。壬生狼の沖田だな。
沖田総司」

「ご存知ですか。それは光栄ですね」

「知らん訳ねぇじゃろ。人斬り沖田」

「貴方も似たようなものでしょう」


沖田は冷ややかに笑うと、一気に間合いを詰めた。


< 194 / 337 >

この作品をシェア

pagetop