てのひらを、ぎゅっと。

最後のチャイム




ドキドキ………ドキドキ………。


「じゃあ、入るぞ?」


車椅子に乗っている私と、そんな私を押してくれているこうちゃんはたった今、
教室の前に辿り着いた。


みんなどう思うだろうか。


車椅子に乗っている私を、やっぱりおかしいと感じるのだろうか。


なにより、受け入れてくれるのかな……?


多少の不安はあったけど、こうちゃんの言葉に力強く頷いた。


─────ガラガラガラ。


教室のドアを開けた途端、いつかの日と同じようにみんなが一斉にこっちを向く。


私の中に、今までとは少し違った緊急がはしった。


自分が嫌な方向に思い込んでいることもあるかもしれないけど、少しみんなからの視線が痛く感じる。


やっぱり………もうこないほうがよかったのかな………。


そう思って、グッと目を瞑った時。


< 250 / 465 >

この作品をシェア

pagetop