「お帰りなさいませ、結愛さま」

「ただいまー、いっくん」

花森財閥ご令嬢、花森 結愛が帰ってきたのは夕方を少しすぎた頃だった


いつもにもましてすこぶる機嫌がいい

「お嬢様、いつも言ってますけど俺のことは矢野で構いません」

そう言っているのは、古くから花森家に使える矢野家の末っ子、矢野 樹である

樹は使用人として立場をわきまえるようにと父親から厳しく言われているのにどうやら仕えている主人本人にその気はないらしい…