不機嫌な果実

★不機嫌王子に宣戦布告?!

「ふ~ん、そう言う事だったのか」

「・・・は?」

桃子が家の中に入るのを見届けたオレは、

自分の家の玄関を開けようとして、その声に驚き振り返る。


…オレの天敵。

桃子はもう、コイツと関わりが無くなったって言ってたけど、

オレにとっては、コイツはずっと、天敵意外何物でもない。


「桃子と両思いになったんだ?」

そう言ってニコッと笑ったのは、恭治。


「・・・だから?もう、アンタと桃子は何の関係もないんだろ?」

「そのつもりだった」

「・・・つもり、だっただと?」

恭治は何が言いたいのか、よくわからない。

オレは、そんな恭治をじっと睨み続けた。


「気に入らないな」

「・・・何が?」

「もちろん、桃子と凌也が両思いになる事が、だよ」

「自分から身を引いたくせに、今更何を言い出す」

…笑っていた恭治が、ふと、真剣な表情に変わった。




「凌也とくっつくくらいなら、何が何でも、

桃子はやらない。力ずくで、俺のものにして見せるから」
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