深層融解self‐tormenting◆番外編◆

 I've had enough of this!~Aki said~

何度上がっても表彰台の上ってのは気持ち良いもんだなー。

今回はギリギリで表彰台に上がれたけど、よく大会に参加してた一昨年あたりは結構優勝したりもしてた。



俺とクリスはかなりいい線までいって、クリスが5位で俺が3位。


クリスもしきりに残念がっていたけど、初めて走らせたコースだったわりには上位に食い込めたんじゃないか?


表彰台では記念の小さな盾と賞品を受け取り、知人達の輪の中に戻る。



このクラスに出てる奴等は、大体がどこかの大会で会ってる顔見知りが多いから、競技が終わるまでずっとクルマの話ばかりをしていた。



「賞品って何スか?」

同じインプレッサ乗りの島(しま)とか言う俺より年下のヤツが聞いた。

その横には島と意気投合したらしいクリスもいる。


でも何だこれ?商品券か?そんな感じの大きさだな。


ぺりぺりと包装を剥がして中を取り出すと、出てきたのは旅行券だった。


2万円分の旅行券。これは華音が喜ぶ……か…も…。


あれ?

そういえば……華音はどこ行った?


「アキ、どうした?」

「いや…。華音、は?」

「知らないけど?そう言えば、競技中ずっといなかったよね?」


……やべぇ。


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