恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
*第8章*

再会


翌、週末。


…あたしは福岡の地に降り立っていた。



「寒いのは東京と変わらないな」


コートの襟元を立てて白い息を吐く翔平。



……翔平も、一緒に来てくれたんだ。


理人も行くと言ってくれたけど、病み上がりの理人に遠出は負担が大きすぎるから…。



空港からの移動時間もそれほどなく、事前に調べた最寄駅からは、タクシーでその住所を目指す。


タクシーが角を曲がるたびに、もう着くんじゃないかとドキドキして、心臓の音は頭の中にまで大きく鳴り響いてる。


無意識に歯を食い縛ってしまうほどの緊張感に支配された。
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