お前のすべてを愛してやる【完】
第四話
「神崎ってさ、小学校の頃何組だった?」



「え…?」



突然、隣の男子に話し掛けられた。



斎藤和人(サイトウカズト)



背が高く、スポーツ万能。



イケメンというほどでもないが、男女に好かれる男子だ。



「え、えーと…。1年2年が2組で、3年4年が1組で、5年6年が3組…です」



亜矢乃は戸惑いながらも答えた。



今まで男子と喋ったことがなかった。



特に3年生になってからの4年間は、誰とも…。



だから急に話し掛けられても、どうすればいいのか分からなかった。
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