静かな涙【完】
宮崎君と私
―――――――
次の日…




泣き腫らした目をしながら学校へ向かう。



こんな日は、正直、学校へなんて行きたくなかった。


だけどそうは言ってられない…。



見慣れた道を歩いていると、正門の所に宮崎君が立っていた。




進んでいた足がぴたりと止まる。




宮崎君は私に気付き、駆け寄って来た…。




泣き腫らした顔を見られたくない…。



私は、少し俯いて宮崎君が駆け寄って来るのを待った。




『…おはよ』



『おはよう…』



そう言うと宮崎君は私の鞄を持ってくれた。



宮崎君のクラスの男子が数名、冷やかしているが、宮崎君は気にも止めない様子で私の手を引っ張る…。




『今日から、ここで待ってるよ。河上を…本当は朝、家まで迎えに行きたいんだけど、俺、寝坊助だからなぁ…』




そう言って笑う宮崎君を見て自然と笑みがこぼれる。



『うん。ありがと!』




私と宮崎君は、二人で肩を並べ教室へ向かった。
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